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アメリカのビジネスにおける肩書(ジョブタイトル)へのこだわりと重要性について

アメリカのビジネスにおける肩書(ジョブタイトル)の重要性について

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(*この記事は2020年4月12日に記載されました)

この記事は

 

  • アメリカのビジネスカルチャーに関して興味がある方
  • アメリカで仕事(駐在・現地採用関わらず)をしたいと考えている方

 

に向けた記事です。

 

「肩書」に関してですが、私は現職で海外で仕事をするようになるまで、アメリカ社会における肩書というのは、日本でいう肩書ほど重視されるものだと思っていませんでした。

 

が、しかしアメリカに駐在して約2年、現在では肩書きを明確に決めないことがアメリカのビジネスにおいては少し気持ち悪いことであり、仕事がしずらいどころか、評価もされずらい場面にさえ出くわすこともあるという事が徐々に理解できてきました。

 

前段としてアメリカで仕事をする上での心構えなどを知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

 

www.knewyorklife.com

 

また、英語の習得に関しては以下の記事も参考にしていただければと。

 

www.knewyorklife.com

 

 

 

アメリカ駐在前の肩書に対する認識

アメリカに駐在する前の私の肩書に対する認識は旧来の日本企業においては、ある種絶対権力の象徴のようなしるしであり、外資系企業においては水戸黄門の印籠程の効力は無いちょっとした看板であるくらいにしか思っていませんでした。(エグゼクティブクラスは外資でも別次元ですが)

 

というのも、私自身が初めて就職した会社は超純日本体質な企業でして、

 

一般社員 → 主任 → 係長 → 課長代理 → 課長 → 次長 → 部長 → 執行役員 → 常務 → 専務 → 副社長 → 社長

 

みたいな何階層あるんだよみたいな役職構造と共に組織が形成されていて、肩書が絶対権力のようなそんな会社でした。

(もはや15年以上前の話ではありますが。。。)

 

一方で現職の前は米国系のコンサル会社だったのですが、そこでは逆に

 

アナリスト → コンサルタント → マネージャー → シニアマネージャー → マネジングディレクター

 

とずいぶん階層は少なかった上に、コンサル会社なので固まった階層組織があるという感じではなく、従事するプロジェクトに応じて柔軟に変わっていくというような感じでした。

 

また、肩書に関係なく、若いアナリストが上級職のメンバーと強烈に言い合うシーンも多く見られましたし、実力主義であるアメリカでは肩書なんて働いてて評価されれば勝手についてくるもんだと思っていました。

(現職は日系企業ですが、肩書の階層的には似たような感じ)

 

アメリカ駐在直後にあった肩書定義の議論

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といった感じで自分の肩書には全く興味がなかったのですが、アメリカ着任直後に私を含め管理職のメンバーが集まって組織の運営に関して議論をしていた時に、「米国事業における各役割の肩書を明確に決めよう」と当時上司だった現地の人が提案したのです。

 

正直その時は「何故肩書なんかにこだわるのだろうか?一般職は一般職だし、マネージャー、ディレクターで良くて、きちんと仕事をしていれば評価されるじゃん」なんて事を思っていました。

 

ただ私以外の現地の管理職メンバーは、その提案を受けてものすごく肩書について熱く議論をしていました。

 

何階層にすべきか、どんな表現が良いのか、何年で肩書をステップアップさせるか等。

社内における給与体系はそんなに階層はないし、当社におけるグローバルの事業視点で見たら、米国現地だけで通用する肩書に何の価値があるのかわかりませんでした。

 

 

 

明確な役割分担

後々色々と見聞きしたり、自分なりに目の当たりにして解釈した内容ではありますが、日本における肩書というのは、ある種組織を束ねる為に割り振られる役職に伴う形で付加される事がほとんどな気がします。

 

そしてアメリカにおいては組織を束ねる為に付加される肩書に加えて、個々人の役割を明確化するために肩書が付加されています。

 

例えば人事部組織の場合、

New Hire Coordinator と Mid Career Coordinator のように新卒採用担当と中途採用担当で肩書が違ったりします。

 

更にSenior HR Coordinatorのような上級職がいて、HR Manager、HR director、HR Vise presidentのように階層を表現する以外にも何をするための人なのかを肩書で明確化しているのです。

 

日本で言えば ”一般職” と表現される役職も明確に何の役割を持ってる人なのかを肩書で表現しています。(ITとかだったりするとすごく多種多様です)

 

逆に「役割が明確になっていない人=何をしてるのかわからない人」という判断をされることも時々あり、評価が落ちてしまうこともあったりします。

 

この観点から個人的にはアメリカ社会では何でも器用にこなすジェネラリストよりも何かに特化しているスペシャリストの方が仕事で結果は出しやすい環境にあるといえるかもしれません。

 

アメリカにおける肩書の重要性

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何故このように肩書にこだわるのか、役割を明確にする事が重要なのかということなのですが、これはある種アメリカの個人主義につながる部分もあると思います。

 

個々の役割を明確にして責任範囲を定義した上で、達成すべき結果を追求するということから肩書が重要になってくるのです。

 

なので、採用等をする時もジョブディスクリプション(職務概要)に関しては肩書とその役割の中で達成すべきことは明確に書く必要があります。そして採用される側もそこに明記されている範囲外の事は基本的にはあまりやらないというのが一般的です。

 

日本のように上司に頼まれれば何でもやり、全員オフェンスもディフェンスもするとという文化ではなく、自分の責任範囲にフォーカスし、バリューを最大限出すためにその役割にのみ徹するという考え方です。

 

 ゆえにこの肩書一つで転職時の給与等にも非常に大きなインパクトを及ぼしますし、自分の肩書に対してプライドを持っています。

(中には肩書を鼻にかけてドヤってくる人もいます)

 

 

 

肩書に起因する超えられない壁

ここまで記載するとおおよそ肩書にこだわることでの弊害が見えてくるかと思いますが、フォーカスして猛進する一方で基本的に自分の責任範囲を超えて連携する事が苦手なので、アラインメントみたいな事は少し不得意な文化だと感じます。

 

そういった観点で、ガバナンスなどを重んじる場面では役割間で整合性を取るのに非常に苦労したりしますし、組織がサイロになりがちなのはなかなか解決が難しい課題に思います。

 

まとめ

アメリカ社会においては管理職であるか否かに関わらず、一人一人の肩書が非常に重要であるということを記載してきました。

 

役割を明確にして達成すべき事をクリアにするということで個々人のパフォーマンスを引き出す事が出来るという反面、ガバナンス観点で整合性を取りたい時にはちょっと苦労するのと、結果的にツギハギのようにポイントポイントで辻褄を合わせがちなので、俯瞰的に見て全体最適を重んじる日本人の社会に慣れた人だと最初は違和感を感じるかなと個人的には思います。

(実際今でも少し違和感を感じる時はあります)

 

K

 

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