アメリカは個を重んじる個人主義ではあるが、他人に寛容な社会だという話
アメリカは個人主義の社会だけど、他人に寛容な社会だという話
(この記事は2020年5月2日に記載されました)
この記事は
- アメリカ生活や文化に興味のある方
- アメリカに留学や仕事で生活する予定のある方
に向けた記事です。
アメリカはよく個人主義の社会だと言われると思います。
この個人主義の定義は色々あると思いますが、私がアメリカに来るまでよく聞いていたアメリカ的な個人主義というのは「他人に無関心で自分優先」という事。
その上で私が約2年程ニューヨークに住んでいて思うのは、一部は確かにその通りで一部は違うと感じます。
他人に対して無関心で自分優先なのか
確かにアメリカでは個人の意思や意見というものが非常に大事で、ビジネスの場等でミーティングをする際には必ずと言って良いほど、「あなたはどう思ってるんですか?なにか意見はありますか?」と個人の意見が聞かれます。
例え相手の意見に合意だとしても、ただYESと言えば良いということでもなく、合意であることを伝えた上で更に「これこれこういう理由で合意出来る」ということを伝えたりもします。
日本でよく言われれるような「空気を読まない」みたいなことがあるのかというと、そんな事もないです。確かに日本でよくある「空気を読む」という感覚よりは若干薄いものの、会話の流れや相手の表情を見て、相手の感情を先読みする事は全然あります。
ただ、上記の通り相手の意見を言動としてきちんと表さないと、何を考えているのか理解してもらえないということは往々にして発生するので、自分の言葉で考えを発するということはより重要になってきます。
そして自分優先で他人に対して興味が無いかというとそうでもなく、むしろ基本的に代々長くアメリカにいて、アメリカ社会の中で生まれ育った人は人種によらず親切で思いやりのある人が多いと思います。
特に子供や老人を敬う風潮は日本よりも強いように感じます。基本的によその子であってもみんな「かわいいね。何歳?」等気軽に声をかけたり、電車に乗っていても100%誰かしら席を譲ってくれます。(日本にいた時より確実に譲られる)
大人通しでも相手を気にかけるような会話というのはそこかしこにありますし、表面的かもしれませんが、こういった気遣いは現在の日本より多くあるように感じています。
(昭和の日本に近い感じ?)
何が個人主義なのか?
個人主義といっても前述の通り、単にアメリカ社会が他人に冷たく干渉しないということではなく(むしろ冷たいと感じた事はあまりない)、端的に言うと日本にあるような同調文化が無いという事なのだと思います。
文化のみならず教育やビジネスの環境等、色々な観点から見て、自立心を育成する姿勢や責任範囲の明確化といった個人主義的なポイントが相対的によりクローズアップされるからなのかなと思います。
例えば
教育的な観点
- 自立性育成のため、ひとつの事柄を自分がどう考えたのかを問う
- 問題解決のやり方の提示はあるが、それに拘らずどう解決したかを試す
- 相手がどう考えるかより自分がどう考え行動するかを意識して教育する
ビジネスの観点
- 上司の言う事は絶対という文化でもない(ワンマンもあるが)
- 責任範囲とゴールは明確にするが細かいアプローチはあまり重視しない
- 全員の合意形成無しでも、正当化の材料とファクトがあれば物事が進む
といったように自立心を高め、社会に出てからは責任範囲が明確化される文化に身を置くので、あまり相手の顔色を伺って、本質的ではない結論に落ちるという事が起こりにくい気がします。
物事の種類に寄っては事前に根回しのような事を行って同調圧力的な空気を作ることもちろんありますが、その場で思いつきで上司が言ったからその場の空気で意思決定みたいな感じにはなりづらい気がします。
また、例えば何かサービスに不満があってクレーム等を入れた場合、その担当者の判断1つで結果がひっくり返ったりすることもあります。
(マニュアル通りじゃないことが結構ある)
まとめ
日本にいるときには確かにアメリカって個人主義でみんな好きな事を言っていて、人に対して冷たいみたいな事をよく聞きましたが、実際あっている部分もあれば、間違っている部分もあるなというのが2年ほど住んでみての実感です。
ただ、どんな人であっても自分の考えや意見を持っていて、それを尊重する文化もあり、周りに対しても非常に親切で他人に対して寛容な社会であるということが一番印象として強いと考えています。
また、参考としてアメリカで仕事をする際に知っておくべき事についても以下に記載していますのでご覧ください。
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